こんな方におすすめ
- タイでタクシーに乗りたい全ての人
タイ渡航歴10回以上のタクシードライバー経験者がタイ(バンコクなど)のタクシー情報を網羅的に紹介します。
タイのタクシーの特徴(日本との違い)
タイのタクシーの特徴、日本のタクシーとの主な違いは以下の通り。
※タイのみならず、東南アジア諸国全般で以下であることが多いです
料金が安い
日本のタクシーと比べて料金がとにかく安いです。
乗車距離にもよりますが日本のおよそ1~2割の料金です。
【バンコク・東京のメータータクシー料金比較】
乗車距離(km) | およその運賃(円) | |
バンコク | 東京23区 | |
1 | 123 | 420 |
2 | 137 | 820 |
3 | 158 | 1,140 |
5 | 193 | 1,780 |
10 | 277 | 3,540 |
※1バーツ=3.5円換算
※ノンストップで目的地へ到達したとして計算。オプション料金、各種割引割増は考慮なし。
タイのタクシー料金体系詳細は後述。
日本円が使えない
基本的に日本円の現金は使えません。
現金払いの場合はタイの通貨バーツが必要です。
※万が一、現金が日本円しかない場合は乗車前に運転手と交渉してみてください。なんとかなるかもしれません
日本語が通じない
基本的にタイのタクシードライバーには日本語は通じません。
バンコクやパタヤなどの外国人観光客の多い場所では英語が通じるドライバーがいる可能性が高いです。
しかし、基本的には「目的地」と「料金」を共有できればOKなので、タイ語が話せなくても心配無用です。
ドアが自動ではない
日本のタクシーのように、後部座席のドアは自動で開閉しません。
自家用車と同様、手動で開け閉めする必要があります。
乗車拒否が多い
日本と比べて圧倒的に乗車拒否が多いです。
乗車拒否されやすい主な状況は以下。
- 道が混んでいる
- ドライバーが行きたくない場所
- 距離が短い
- 距離が長すぎる
- ガス欠
乗車拒否を避ける最適な方法は「配車アプリの利用」です。
ぼったくりが多い
日本と比べて圧倒的にぼったくりが多いです。
メータータクシーの場合、メーターを使わずにメーター料金より高い料金を請求されることが多いです。
※メーターを不正改造して法外な料金を請求するタクシーも稀にいるようですが、著者は遭遇したことないです
ぼったくり被害に遭いやすい主な状況は以下。
- 観光地
- 空港、駅、バスターミナル
- 歓楽街
- 路上待機中のタクシー
- 道が混んでいる
ぼったくりを避ける最適な方法は「配車アプリの利用」です。
運転手からの営業が強め
日本ではタクシードライバーから積極的に声をかけられることは稀ですが、タイではよくあります。
基本的に、向こうから声をかけてくるドライバーのタクシーに乗ってもいいことはほぼないので、他にタクシーに乗る手段がない場合を除き避けたほうがいいです。
車両のバリエーションが多い
日本ではタクシーといえばほぼ四輪の乗用車のみですが、タイでは車両のバリエーションが多いです。詳細は事項。
タイのタクシーの種類
本記事では目的地を自由に設定でき、最短ルートで向かう車両を以下、タクシーとして紹介します。
(乗合車両のソンテウ、ロットゥーなどは本記事では除外)
メータータクシー
日本でも一般的な四輪乗用車にメーターを付けたタクシーです。タイの各都市に存在します。
【メータータクシーのメリット】
- バンコク中心部では台数が多くすぐ乗れる
- (正規料金なら)料金が配車アプリより安くなることが多い
- (バイタクと比べて)安全で楽。荷物もたくさん積める。
【メータータクシーのデメリット】
- 渋滞にハマると時間がかかる
- 料金のぼったくりがある(メーター不使用など)
- 目的地をドライバーに伝える必要がある(配車アプリ不使用時)
車両は日本車が非常に多く、ほぼトヨタ車と言っていいと思います。
カローラ、カムリなどの車種が多めです。(日本のタクシーで主流のクラウン、JPNタクシーはほぼいないです)
メータータクシーは日本と同様、大きく
- 個人タクシー
- 法人タクシー ←おすすめ
の2種類に分けられます。
個人タクシー(緑+黄色のツートン)
タイの個人タクシー(個人事業主)は緑+黄色のツートンカラーです。
感覚的にはバンコクを走るメータータクシーの半数以上が個人タクシーのように思います。
しかしこの個人タクシー、ほかに選択肢があるなら可能な限り避けたほうが無難です。
理由は「不快な思いやトラブルに発展する可能性が法人タクシーより高い」です。
具体的には以下。
- ぼったくりが多い
- 接客態度が悪い
- 運転が荒い
※あくまでも傾向です。すべての個人タクシーに当てはまるわけではないです。
法人タクシー
基本的にはタイでメータータクシーに乗るなら法人タクシー(タクシー会社所属のタクシー)をおすすめします。
運転手の質は各社ともドライバーによるところが大きいですが、全般的には上記の個人タクシーよりは「ハズレ」を引く可能性は低いです。
バンコクの主な法人タクシーは以下。
青
ピンク
黄色
オレンジ
緑
紺(ロンドンタクシー)
※一般のメータータクシーより料金が高い
バイクタクシー(バイタク、モタサイ)
バイク(2輪車)によるタクシーです。
バイタク、モタサイ、モタバイなどと呼ばれることが多いです。
ドライバーの運転するバイクの後ろに自分が乗る形式(いわゆる2ケツ)です。
【バイクタクシーのメリット】
- バンコク中心部では台数が多くすぐ乗れる
- (正規料金なら)料金がメータータクシーより安くなることが多い
- 小回りが利くので都市部、渋滞時などでも比較的スムーズに移動可能
【バイクタクシーのデメリット】
- 事故リスクが高い
- 昼間は暑い
- 料金のぼったくりが多い(配車アプリ不使用時)
- 目的地をドライバーに伝える必要がある(配車アプリ不使用時)
- 高速道路に乗れない
トゥクトゥク
東南アジアでよく見られる3輪タイプのタクシーです。タイではトゥクトゥクと呼ばれています。
バンコクでは上記のタクシーと比べて実用性は低く観光専用タクシーと考えてください。
【トゥクトゥクのメリット】
- 東南アジア、タイの独特の雰囲気が味わえる
【トゥクトゥクのデメリット】
- 料金が高い(ぼったくりが多い)
- 目的地をドライバーに伝える必要がある
- 高速道路に乗れない
- あまりスピードが出ない
- 乗り心地がよくない
ライドシェア(配車アプリ利用)
厳密にはタクシーとは言いませんが、タイではプロのタクシードライバーではなく一般人が運転するライドシェア車両(自家用車)に乗ることができます。
ライドシェア車両は配車アプリで呼びます。
ライドシェア車両は大きく
- 四輪タイプ
- 二輪タイプ
の2種類に分けられます。
【ライドシェアのメリット】
- 料金をアプリ上で事前確定できる(ぼったくりがほぼない)
- アプリ決済可能(アプリによる)
- 目的地をアプリ上で設定できる(ドライバーに口頭で伝える必要がない)
【ライドシェアのデメリット】
- 料金がメータータクシーやバイタクより高くなることがある
- アプリの操作、配車待ち時間が必要
タイのタクシーの乗り方
基本的には以下のとおりで日本のタクシーとほぼ同じです。
流しのタクシーを止める
走行中の空車タクシーを止めて乗る方法です。
【空車タクシーの確認方法】
助手席側車両前方の表示(タイ語)が点灯していれば空車です。表示の色は赤と緑が多いです。
点灯時
ちなみに表示が消灯の場合は基本的には乗れません。(実車、または回送など)
消灯時
【空車タクシーの止め方】
日本と同様、手を挙げてドライバーに乗車の意思表示をします。
タイでは日本のように真上に手を挙げず、斜め下(前)に手を下ろしてタクシーを止める人が多いですが、日本と同様真上に挙げても止まってくれます。
タクシー乗り場で乗る
空港やショッピングモール、ホテルなどのタクシー乗り場で乗る方法です。
日本と同様、乗り場の先頭に待機中のタクシーに列に並び順番に乗ります。
空港の正規タクシー乗り場などでは、料金事前払い(固定)の場合もあります。
路上待機中のタクシーに乗る
路上に待機中の空車タクシーに乗る方法です。
手を挙げるなど、ドライバーに乗車意思表示をしてドアを開けます。(ドライバーが気づいていなければドアをノックする)
ドライバーから声をかけられることも多いですが、ぼったくられる可能性が高く基本的にはあまりおすすめしません。
配車アプリを利用する
2024年現在、タイで最もおすすめのタクシー利用方法です。実際、著者もこの方法で乗ることが最も多いです。
基本的な使い方は日本のタクシー配車アプリとほぼ同じです。
ホテルや飲食店の従業員に呼んでもらう
ホテルや飲食店などの施設の従業員に電話やアプリなどで呼んでもらう方法です。
周囲にタクシーが少なめ、配車アプリの非対応エリアなどでおすすめの方法です。
タクシー会社に電話
タクシー会社に直接電話して呼ぶ方法ですが、英語対応のオペレーターがいるとは限らないので、タイ語が話せないとちょっと厳しいと思います。
タイのタクシーの料金
料金体系
バンコクの一般的なメータータクシーの料金体系は以下の通り。
初乗運賃 | 1.0kmまで35バーツ |
加算運賃 | 360mごとに2バーツ |
時間距離併用運賃 | 1分ごとに2バーツ(6km/h以下走行時に適用) |
深夜早朝割増 | なし |
迎車料金 | なし |
空港使用料 | 50バーツ(空港正規タクシー乗り場から乗車で適用) |
高速料金 | 実費を利用者が負担 |
※1バーツ≒3.5円(2022年2月現在)
※タクシー会社や車種により独自の料金設定をしていることがあります。
【料金表(2022年2月撮影)】
おすすめの料金検索方法
配車アプリ「Grab」で、出発地、目的地を設定し料金検索すると、ある程度正確な料金が予測できるのでおすすめです。(ライドシェア車両の場合は料金確定可能)
走行距離ごとの料金目安
走行距離(km) | 料金目安(バーツ) |
1 | 35 |
2 | 39 |
3 | 45 |
5 | 57 |
10 | 83 |
※ノンストップで目的地へ到達したとして計算。オプション料金、各種割引割増は考慮なし。
主要場所までの所要時間と料金、距離の目安
【アソーク(スクンビット)駅発】
場所 | 料金目安(バーツ) | 時間目安(分) | 距離目安(km) |
スワンナプーム空港 | 177- | 20-40 | 23.8 |
ドンムアン空港 | 175- | 18-35 | 23.6 |
トンロー | 41- | 5-18 | 2.4 |
シーロム | 57- | 10-28 | 5.3 |
カオサン | 79- | 14-35 | 9.2 |
中華街 | 75- | 12-30 | 8.3 |
パタヤ | 1300- | 90-140 | 141 |
※メータータクシーがノンストップで目的地へ到達したとして計算。高速料金など別途必要
※時間帯、道路状況、経路などにより大幅に変動します。あくまでも最低料金として考えてください
※時間、距離は「Google Map」を参考にした
空港からタクシーに乗る
スワンナプーム空港
【正規乗り場】
正規のタクシー乗り場は1階(地上階)4番出口を出た場所にあります。
機械で整理券を発行し、整理券に記載の番号のレーンのタクシーに乗車します。
【正規料金】
メーター料金+空港使用料50バーツ+高速料金(実費)です。
【料金を安くする方法】
結論は「出発ロビー降車場のタクシーに乗る」です。
空港使用料50バーツの支払いが不要となります。
具体的乗車方法は以下。
①4階出発ロビーの降車場へ行く
②清算・降車中のタクシーに声をかける
③行先を伝えメーター使用を確認し乗車
※降車場は待機不可のため、前客を降ろすとタクシーはすぐにいなくなる
また、正規乗り場が混雑している場合は降車場から乗ったほうが待ち時間が短い可能性が高いです。
ドンムアン空港
【正規乗り場】
①国際線(T1)
国際線正規のタクシー乗り場は1階(地上階)8番出口の手前にあります。
カウンターに並び、行先をスタッフに伝えタクシーに乗車します。
①国内線(T2)
国内線正規のタクシー乗り場は1階(地上階)の南端(荷物受け取り場を出て向かって左側)にあります。
タクシー乗り場待合室の入り口で整理券を受け取り、自分の番号を呼ばれたらカウンターでスタッフに行先を伝えタクシーに乗車します。
【正規料金】
メーター料金+空港使用料50バーツ+高速料金(実費)です。
【料金を安くする方法】
結論は「出発ロビー降車場のタクシーに乗る」です。
空港使用料50バーツの支払いが不要となります。
具体的乗車方法は以下。
①3階出発ロビーの降車場へ行く
②清算・降車中のタクシーに声をかける
③行先を伝えメーター使用を確認し乗車
※降車場は待機不可のため、前客を降ろすとタクシーはすぐにいなくなる
また、正規乗り場が混雑している場合は降車場から乗ったほうが待ち時間が短い可能性が高いです。
空港までタクシーで行く
バンコクには大きな空港が2つ(スワンナプーム空港、ドンムアン空港)あるので、必ず乗車時に空港名で行先を指定してください。
ドンムアン空港はターミナルが2つ(T1:国際線、T2:国内線)あるので、ターミナルも指定してください。
どちらの空港もメーター料金はバンコク中心部から200-300バーツ程度です。高速利用の場合は高速料金も別途必要です。
タイのタクシーのぼったくりを避ける方法
前述のとおり、日本のタクシーと比べてタイのタクシーはぼったくりが多いです。
タクシーのぼったくりを避ける最強の方法は「配車アプリの利用」です。
配車アプリを使うことで、ぼったくりをほぼ100%回避できます。
【配車アプリが効果的な理由】
- アプリ上で料金が事前確定する(仮に遠回りされても料金が変わらない)
- アプリ上で決済可能(釣銭不足の心配無し)※アプリによる
- 利用履歴がアプリ上に残る
- ドライバーの評価システムあり(悪評価がつくと仕事がし辛くなる)
しかし、配車アプリ非対応エリアなどで配車アプリが使えないこともあります。また、正規料金であれば配車アプリ(ライドシェア車両)よりメータータクシーのほうが安いことも多いです。
【配車アプリを使わない(使えない)場合のぼったくり対策】
- メーターを使わせる←最重要
- 向こうから声をかけてくるタクシーは避ける
- 路上待機中のタクシーは避ける(流しに乗る)
- 個人タクシー(緑+黄色のツートン)は避ける
- 若いドライバーを選ぶ
- 小銭を用意する
- メーターの動作が正常か確認する
- (メーター不使用の場合)乗車前に料金を確認する
- ナビアプリなどで最短ルートを確認する(遠回り対策)
- タクシー乗車で使える最低限のタイ語を覚える
- タイ人と一緒に乗る