こんな方におすすめ
- タクシードライバーを目指したいが、タクシー業界の将来が不安
- ウーバーや自動運転によりタクシードライバーの仕事がなくなるのでは?
- タクシードライバー経験者の予想を聞きたい
どうも、東京の元タクシードライバーです。
タクシードライバーを目指す人の中には、タクシー業界の将来が不安で、転職を躊躇している方もいるでしょう。
今回は、タクシードライバーを目指そうとしている方のために、業界の将来について予想をしてみます。
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もくじ(文字タップで移動)
タクシー業界に影響を及ぼす要因
まず、タクシー業界の将来に影響を及ぼす主な要因を整理しておきます。プラス要因マイナス要因とありますが、長期的にはどう考えてもマイナスの要因の方が大きいです。
マイナスの要因
オンライン化(引きこもりが増える)
個人的には短期的、長期的どちらにおいても最大のマイナス要因と思っています。
2020年コロナショックにより、今後緩やかに加速していくオンライン化が急速に加速せざるを得ない状況になりました。
オンライン化とはつまり「引きこもりが増える」ということ。
よって、タクシー需要は減ると思います。
タクシー利用客の主な用途としては、
・通勤
・飲み会
・買い物・飲食
などが考えられます。
通勤は、在宅ワークの普及により減少。
飲み会は、lineやzoomなどのオンライン飲み会の普及により減少。
買い物・飲食は、AmazonやUber Eatsなどの普及により減少。
経済衰退
直近でいうと最も影響の大きな要因です。
今回のコロナショックの経済に与えるダメージはリーマンショックの比ではないといわれています。
日本でコロナウイルスの感染が収束したとしても、経済が復活するまでにはさらに時間がかかります。
このまま復活せず、世界恐慌に突入していく可能性もあります。
タクシーは日本の景気のバロメーターとよく言われていますし、実際ドライバーをやってみてそれは非常によく感じます。
かなり楽観的に考えても、今後日本の経済が長期的に上に向かっていくとは考えにくいです。
少し前までは、東京オリンピックのおかげで不動産の価格が上がったり、景気がいいといわれていましたが、もはやそのような次元の話ではなくなりました。
景気に依存するのは他の業界も同様ですが、特にタクシーは依存度が大きいです。
AIによる自動運転
数十年先の遠い未来には最も致命的な要因だと思いますが、直近では上記の要因に比べて無視できるほど小さくなってきました。あまり考えなくてもいいような気がします。
人間のタクシードライバーと同等レベルの運転、接客・サービスをAIが全て提供できるようになれば、人間のタクシードライバーは不要となります。
しかし、個人的には少なくとも私がまともに働けるうちは、タクシーが完全に自動運転車に切り替わることはないと思っています。
特に、東京などの交通量が多く、道の複雑な大都市では、自動運転の実用化は困難です。
各国の自動車会社は2020年代を目標に場所を限定した完全無人運転車の実用化を目指しています。あと数年後には場所を限定した自動運転が実用化されるかもしれません。
ライドシェアサービス
Uberなどのライドシェアサービスもタクシー業界にとってはマイナスの要因です。2018年現在、日本では白タク行為が法律で禁止されています。これが、解禁されればある程度は普及すると思いますので、現行システムのタクシードライバーの地位を度脅かす要素にはなります。
Uberなどのライドシェアサービスは一部の海外では多いに普及しています。
しかし、日本ではあまり普及しないのではないかと思います。
理由は、Uberを使うメリットがあまりない、さらに言うと、
日本の現行のタクシーの「ぼったくりが少ない」からです。
一部の海外ではタクシーによるぼったくりが非常に多いです。
そのため、ぼったくられる可能性の低いUberなどがよく普及しています。
日本と海外のタクシーの違いについては、こちらの記事を見てください。
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タクシードライバー経験者が教える 海外と日本のタクシーの違い
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人口減少
経済衰退の原因の一つですが、今後、日本の人口は減少し続けます。
つまり、将来的にタクシーに乗るお客さんの母数が減ります。
プラスの要因
マイナスの要因だけでなくプラスの要因も一応ありますが、マイナス要因の大きさとくらべて無視できるほどに小さくなってきました。
高齢化
日本の人口は全体としては減りますが、高齢者の割合は増えます。
そのため、歩行が困難な方や通院する高齢者がタクシーを利用する機会は増えると思います。
車離れ
車離れにより、自家用車を所有する人が減っています。特に、都心部は公共交通が発達しているため顕著です。
自家用車を維持するより、タクシーを毎日利用したほうが安上がりになる場合もあります。
車好きな私には少し残念な傾向ですが、
「駐車場を探して都心をグルグル回るよりは、タクシーをスマートに利用したほうがカッコいい!」
と思う若い女性が多いようです。
外国人観光客の増加
近年、日本への訪日外国人観光客が増え続けていました。政府は2020年に訪日外国人の目標を4000万人としていましたが、見事に打ち砕かれました。
2020年3月の訪日観光客は93%減です。東京オリンピックも延期となり、当面は訪日外国人によるタクシー需要が見込めなくなりました。
日本国内のコロナウイルスの感染が収束したとしても、世界経済が低迷すれば、訪日観光客もなかなか増えていかないと思います。
訪日外国人客数が2019年の水準まで回復するには、世界経済が回復している必要があります。
しかしながら、日本は今後ますます観光産業に依存せずにはいられない状況になると思うので、長期的には経済回復とともに回復していくと思います。
飲酒運転の厳罰化
飲酒運転による悲惨な事故が絶えません。今後も取締りや罰則がより厳しくなっていくと思われます。少ないとは思いますが、飲酒後に自家用車を運転する人がタクシーに乗る機会が増えると思われます。
若手ドライバーの台頭
現在、タクシードライバーとして新卒採用を実施するタクシー会社が増えています。これにより、タクシードライバーのイメージアップにつながり、今まで接客不良等によりタクシーを敬遠していたユーザーを一定数引き込めるかもしれません。
タクシー業界の今後の展望
数年後まで
2020年4月現在、コロナショックの影響により、タクシー業界も甚大な影響を受けています。
国内のコロナウイルスの感染自体が収束したとしても、世界経済が大打撃を受けています。
東京オリンピックが2021年に無事開催されれば、一時的には需要が増えるかもしれません。
10年後
タクシードライバーを目の敵にしているホリエモンの本によると、ドライバーという仕事は「10年後になくなる仕事・減る仕事」にリストアップされています。(ただし、「このリストは星占いのようなものだ」ともホリエモンは言っている)
状況は厳しくなっている可能性は高いですが、自動車会社が2020年代を目標に一部の自動運転の実用化を目標にしていることを考えると、10年後に人間のドライバーが全てAIに切り替わっている、とは考えにくいです。
特に、東京で1年間タクシードライバーを経験した私の推測ですが、東京の複雑な道路での自動運転化は非常に困難だと思います。
少なくともグーグルマップのナビが、「実際に通行不可の道」を案内しないようになるまでは無理ですね。
時代の流れとして、白タクは解禁されてそうですね。私は解禁推奨派です。
消費者が使いやすい方を選べばいいと思います。
景気に関しても、コロナショック以前の水準まで回復している可能性のほうが低いと思います。
少なくとも2020年現在よりはタクシー業界の状況は厳しくなっていると予想します。
30年後
まったくわかりませんが、少なくとも私はこの世にいないでしょう。
今から30年前、1990年に携帯電話やスマートフォンが一般人にほとんど普及していなかったことを考えると、完全自動運転が普及している時代が到来している可能性は大いに考えられます。
大革命でも起こらない限り、日本のタクシー業界の状況が現状より良くなっているとは考えにくいです。
「自動運転タクシーの事業者」という新たな仕事が出てくるかもしれません。
まとめ
将来が厳しい業界はタクシードライバーだけではない
タクシー業界の未来は明るいとは言い難いです。しかし、タクシードライバーに限らず、現存する職業でAI化が可能なものは全て、例えば安泰と言われている「公務員」ですら、窓口申請のAI化により長期的には職を脅かされる日が来ると思います。
タクシー一本で一生やっていく、というのは正直オススメしない
他に収入源がないのにタクシーだけで生計を立てていくのは、今後ますます厳しくなっていくと思います。ほかに収入源を持ちつつタクシーをやるか、景気のいいタイミングを狙ってタクシーで一気に稼ぎきるか、そのくらいだと思います。
タクシーの仕事自体に興味があり一度やってみたいという人
よく、「タクシードライバーはだれでも簡単にいつでもなれる」と言われていますが、長期的には上記の通りタクシードライバーの需要は減っていく可能性が高いです。
タクシー業界タクシードライバーの適性があり、人生経験としてタクシードライバーをやりたいと思う方は、後回しにせず、やれるうちにやっといたほうがいいです。
数十年後はタクシードライバーになるのが難しくなっているかもしれませんので。
タクシードライバーへの具体的ななり方は>>東京のタクシードライバーになるには
タクシードライバーで効率的に稼ぐ方法は>>東京のタクシーで平日夜効率よく稼ぐ方法【時間単価を上げる】
をみてください。
今後は+αのクリエイティブなスキルが必要になってくる
今後、タクシー業界が存続していくにしても、タクシー会社・ドライバー同士の競争はますます激しくなっていくと予想します。
その中で差別化を図るために、AIでは代替できない+αのクリエイティブなスキルを持ってかなければ、タクシー業界というか今後の時代を生き残っていくのは厳しいと思っています。