こんな方におすすめ
- タクシーの事前確定運賃のしくみを知りたい
- メーター運賃と比べてのメリット、損得を知りたい
- 事前確定運賃の実際のアプリでの使い方を知りたい
タクシードライバー経験者が解説します。
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タクシー配車アプリおすすめ比較完全版2024
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事前確定運賃とは
「タクシーに乗る前に運賃が確定する運賃体系」です。
そのままですね・・・
日本では従来のタクシーのメーター運賃に代わる新しい料金体系として、「事前確定運賃」が2019年から導入されました。
タクシーに乗る前に料金を確定できるので、あとから料金が変わる心配がありません。
※目的地を途中で変更する場合を除く
事前確定運賃の考え方ですが、簡単に言うと、「過去のメーター運賃の平均値」です。
過去に同じエリア、同じ曜日、同じ時間帯に走ったタクシーのメーター運賃を集計して得られたデータから自動計算され、乗車前に確定されます。
従来のメーター運賃のしくみ
従来のメーター運賃計算式は以下。
メーター運賃=距離制運賃+時間距離併用運賃
距離制運賃 ⇒ 走行「距離」による運賃
時間距離併用運賃 ⇒ 低速走行および停止している「時間」による運賃
「距離制運賃」は走行距離による運賃なので、同じルートを走行した場合は変わりません。
同じルートで走行したのにメーター運賃が変わるのは「時間距離併用運賃」という不確定要素によるものです。
事前確定運賃のしくみ
そして、事前確定運賃の計算式は以下。
事前確定運賃=距離制運賃×係数
メーター料金の「時間距離併用運賃」という「時間」による不確定要素を無くした代わりに、「係数」をかけています。
係数は過去のメーター料金のデータ集計により、「エリア」「曜日」「時間帯」ごとに決められた数値です。
この係数を距離制運賃にかけることで、過去のメーター運賃の平均値、つまり事前確定運賃になります。
距離制運賃はアプリで配車時に出発地・目的地を設定することで、走行距離が自動計算され、その時点で確定されます。
【計算例】
例えば、月曜日の朝8時に東京都特別区・武三交通圏のA地点からB地点まで5.0kmの距離を事前確定運賃で注文するとします。
月曜日の朝8時に東京都特別区・武三交通圏の係数は「1.23」です。
初乗り運賃が1052mまで420円。加算運賃が233m毎に80円とします。
(5000-1052)÷233≒16(小数点以下切り捨て)
距離制運賃=420+16×80=1700
事前確定運賃=1700×1.23=2091円
実際にはこれに「迎車料金※」「高速通行料」などが加算されます。
※タクシー会社による
事前確定運賃のメリット・デメリット、損得
事前確定運賃のメリット
事前確定運賃のメリット
・走行時間・距離が増えても料金が変わらない※ので安心
・メーター運賃より安くなる場合がある
※目的地を変更する場合は変わります
走行時間・距離が増える例
①渋滞にハマる
②交通規制等で迂回する
③ドライバーが道を間違える
④ドライバーが遠回りをする
(⑤コンビニなどに寄り道をする)
①の場合は低速走行、停止時間が増えるので、メーター運賃では料金が増えますが、事前確定運賃では変わりません。
②③④の場合、走行距離が増えるのでメーター運賃では料金が増えますが、事前確定運賃では変わりません。
⑤の場合は客都合なので微妙ですが、ある程度の距離を乗って、最終目的地までの経路上のコンビニに数分立ち寄るくらいならOKと思います。(ドライバーに目的地の変更とみなされればNGですが)
上記のように、走行時間・距離が通常より増えれば、メーター運賃より安くなる可能性が高いです。
しかし、このような事態をタクシー乗車前に予測するのはちょっと難しいです。(⑤以外)
こんなとき事前確定運賃がオススメ
では、具体的にどんなときに事前確定運賃を使ったらいいのか?
一概には言えませんが、以下の場合はお得になる可能性があります。あくまでも「可能性」です。
土地勘がない、タクシーに乗り慣れてない
土地勘がない、タクシーに乗り慣れてない人は、目的地までの最短経路がわからないことが多いので、タクシードライバーに道を指示するのが困難です。
そのため、ドライバーが道を知らない場合は遠回りをされる可能性があります。(少ないですが、意図的に遠回りをするドライバーもいます)
事前確定運賃は、事前にルートも決まるため、ドライバーが遠回りをする可能性は低いですし、万が一遠回りされても料金は変わりません。
朝:郊外⇒都心 夕方:都心⇒郊外
一般的に、朝は郊外⇒都心、夕方は都心⇒郊外方向で道が混雑します。
事前確定運賃の計算に使われる係数は、該当エリアのあらゆる方角に向かうタクシーの「平均値」です。
よって、上記の場合はその平均値より道が混雑している可能性が高く、事前確定運賃のほうが安くなる可能性が高いです。
平日の都心
一般的に、都心の方が郊外と比べ信号が多いため、必然的に低速走行・停止時間が増えます。
さらに、都心は休日よりも平日の方が混雑します。
よって、一概には言えませんが平日の都心は事前確定運賃のほうが安くなる可能性が高いです。
事前確定運賃のデメリット
事前確定運賃のデメリット
・目的地を途中で変更すると「超大損」
・メーター運賃より高くなる場合がある
・迎車料金がかかる場合がある
目的地を途中で変更すると「超大損」
事前確定運賃は目的地を途中で変更すると「メーター運賃と比べ大幅に料金が高くなります」
事前確定運賃でタクシーを呼んで、目的地を変更した場合のトータルの運賃は以下。
(当初目的地までの事前確定運賃)+(変更時の場所~新目的地のメーター運賃)
【具体例】
例えば、A地点からB地点まで事前確定運賃でタクシーを呼び、途中のC地点で目的地をD地点に変更した場合
A→Bの事前確定運賃:3000円
C→Dのメーター運賃:1000円
A→Cのメーター運賃:1000円
とすると、総額の運賃は、
(A→Bの事前確定運賃)+(C→Dのメーター運賃)=3000+1000=4000円・・・①
です。
同じ目的地の変更でも、最初からメーター料金でタクシーに乗っていれば、
(A→Cのメーター運賃)+(C→Dのメーター運賃※)=1000+1000=2000円・・・②
です。
※実際には、そのままメーター運賃が引き継がれC→Dの初乗り運賃が発生しないのでもっと安い
差額①-②=2000円と大損です。
メーター運賃より高くなる場合
途中の目的地変更以外でも、平均値より低速走行・停車時間が少なければ事前確定運賃の方がメーター運賃より高くなります。
迎車料金がかかる場合がある
事前確定運賃利用の場合はアプリ経由で注文するため、タクシー会社により迎車料金がかかることがあります。
こんなとき事前確定運賃はやめたほうがいい
では、具体的にどんなときに事前確定運賃で損をするのか。
一概には言えませんが、以下の場合は損する可能性があります。あくまでも「可能性」です。
途中で目的地を変更するかもしれない
目的地が明確に決まっていないとき、途中で目的地を変える可能性が高いときは、絶対にやめたほうがいいです。
上記のとおり、大損します。
高速利用
高速利用時は平均より低速走行・停止時間が圧倒的に少ない場合が多いので、メーター運賃の方が安くなる可能性が非常に高いです。
さらに、メーター運賃で万が一高速で渋滞にハマっても、高速道路の通行時は「時間距離併用運賃」が適用されません。
よって、高速利用時は事前確定運賃はやめたほうがいいです。
朝:都心⇒郊外 夕方:郊外⇒都心
一般的に、朝は郊外⇒都心、夕方は都心⇒郊外方向で道が混雑します。逆方向は空いています。
事前確定運賃の計算に使われる係数は、該当エリアのあらゆる方角に向かうタクシーの「平均値」です。
よって、通勤ラッシュと逆方向の場合は平均値より道が空いているので、メーター運賃のほうが安くなる可能性が高いです。
土地勘がある・タクシーに乗り慣れている
自分が土地勘のある場所では最短経路をドライバーに指示することができます。
アプリが出したルートより走行距離が短くなるので、メーター料金のほうが安くなる可能性が高いです。
事前確定運賃を実際に使う ⇒ 配車アプリ
事前確定運賃を実際に使う場合はタクシーの「配車アプリ」がおすすめです。
2021年8月現在、一部地域を除き「配車アプリ」以外の方法で事前確定運賃を使うことはできません。
※広島市や長野市では電話にて事前確定運賃利用可能
2021年8月現在、事前確定運賃が使えるタクシー配車アプリは以下。
各アプリで事前確定運賃を使う手順は以下です。
GO
①アプリダウンロード
「GO」をダウンロード、インストールします。
・新規インストールで500円分、さらにコード(友達等から入手)入力などで総額7000円分のクーポンGET!
②事前確定運賃で注文
「料金を調べて呼ぶ」⇒「行先を入力」⇒「料金を見る」⇒「タクシーを呼ぶ」
で以下の画面が表示されるので、「確定運賃」を選択、「確定運賃で呼ぶ」で注文します。
DiDi
①アプリダウンロード
「DiDi」をダウンロード、インストールします。
新規インストール+コード「8474JVZU」入力で1000円分のクーポンGET!
②事前確定運賃で注文
①DiDiアプリのサイドメニューより「事前確定運賃」のスイッチをオン
②行き先と乗車地点を入力し、「事前確定運賃」をタップ
③希望のタクシー会社を選択
④希望のルートを選択し、「一般タクシーを呼ぶ」をタップ
⑤乗車地点を指定し、「注文する」をタップ
S.RIDE(PR)
①アプリダウンロード
「S.RIDE(PR)」をダウンロード、インストールします。
②事前確定運賃で注文
「目的地入力」⇒「画面左下の料金選択欄」
で以下の画面が表示されるので、「事前確定運賃」を選択、「黄色矢印スライド」で注文します。
全国 事前確定運賃が使えるエリア
主要都市の配車アプリ事前確定運賃対応状況は以下。
【主要都市 事前確定運賃対応状況】
都道府県 | 都市 | GO | DiDi | S.RIDE(PR) | Uber |
北海道 | 札幌市 | 〇 | × | - | - |
旭川市 | × | 〇 | - | - | |
宮城 | 仙台市 | × | × | - | × |
東京 | 23区など | 〇 | × | 〇 | 〇※ |
神奈川 | 横浜市 | 〇 | × | 〇 | × |
千葉県 | 千葉市 | × | × | - | - |
静岡県 | 浜松市 | × | 〇 | - | - |
愛知 | 名古屋市 | × | 〇 | × | × |
富山 | 富山市 | 〇 | - | - | - |
京都 | 京都市 | 〇 | × | - | × |
大阪 | 大阪市 | × | × | - | × |
兵庫 | 神戸市 | 〇 | × | - | - |
広島 | 広島市 | × | 〇 | - | × |
福岡 | 福岡市 | × | × | - | × |
沖縄 | 那覇市 | - | × | - | - |
〇 :事前確定運賃が使える
× :事前確定運賃が使えない
- :アプリ非対応エリア
※Uber Premium(ウーバープレミアム)のみ
参考:海外での事前確定運賃
海外ではタクシーの事前確定運賃が日本より普及している国と地域がけっこうあります。
理由は「日本よりタクシーのぼったくりが多い」からです。
事前確定運賃ならぼったくられることはまずないので安心です。
私も海外で事前確定運賃が使えるエリアでは、極力事前確定運賃を使うようにしています。