こんな方におすすめ
- 陣痛(妊婦用)タクシーの登録を検討中、登録してるがちゃんと呼べるか不安
- 陣痛(妊婦用)タクシーのサービスエリア外に住んでいる
- 陣痛(妊婦用)タクシードライバー経験者の意見を聞きたい
本記事は、東京で陣痛(妊婦用)タクシードライバーとして実際に妊婦さんを病院へ送った経験がある筆者が、
・陣痛タクシーの実態
・早く確実に来る可能性が高い陣痛時に本当におすすめできるタクシー配車方法
を紹介します。
※「陣痛タクシー」という呼び名以外にもタクシー会社により「マタニティ・マイタクシー」「プレママ安心タクシー」など様々な呼び方がありますが、ほぼ同様のサービスです。本記事ではまとめて「陣痛タクシー」と表記します。
結論を先にいうと、陣痛タクシーより「配車アプリ」のほうが陣痛・出産時に「早く」「確実に」タクシーを呼べる可能性が高いです。
【提携タクシー会社が多くおすすめの配車アプリ】
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陣痛タクシーはあまり意味がない
陣痛タクシードライバー経験者として、個人的には陣痛タクシーはあまり意味がないと思っています。
理由は以下です。
- 実態は普通のタクシー
- 陣痛タクシーが必ず来るとは限らない
- 配車アプリで各社まとめて呼んだほうが早く確実に呼べる可能性が高い
- 陣痛タクシーを使えない人は普通のタクシーを使っている
- 外出時に陣痛が来たとき呼ぶ場所が変わるので焦る
一つずつ解説します。
実態は普通のタクシー
陣痛タクシーの実態はごく普通のタクシーです。
陣痛タクシーサービスのあるタクシー会社に所属する普通のタクシードライバーが通常の営業中に、陣痛タクシーの配車依頼があったときだけ陣痛タクシーとして呼ばれます。
※少なくとも私が所属していたタクシー会社はそうでしたが、他社も同様と考えます
通常の無線配車との違いは以下。
・配車確定時に「陣痛タクシー」である旨が通知される
・車内に常備されている「防水シート」を後部座席に敷く
これだけです。
タクシー会社によってはウェブサイトに「乗務員全員妊婦さん向けの講習を受けている旨」の記載がありますが、私の場合は特別な講習は受けていませんでした。
逆に言うと、あたりまえですが陣痛時でも普通のタクシーに乗れるということです。
このような実態としてはあまり意味がない、普通のタクシーとあまり変わらない「陣痛タクシーサービス」の存在意義は以下と考えます。
・タクシー会社のイメージアップ
・妊婦さんへ精神的な安心感を与える
陣痛タクシーが必ず来るとは限らない
せっかく陣痛タクシーに登録してもいざというときに陣痛タクシーが呼べず、結局普通のタクシーや自家用車で病院へ行くケースがけっこうあります。
以下、陣痛タクシー登録者の口コミ抜粋。
①上の子を妊娠中の時、当時、車がなかったので陣痛タクシーというものを知り、登録をしました。そして夜間に陣痛が来てしまい、陣痛タクシーを利用しようとして電話をかけましたが、「現在、近くにタクシーがいないため手配できません」とオペレーターに言われてしまいました。旦那は激怒してました。結局、普通のタクシーを呼んで病院へ行きました。
②つい最近3人目を出産したのですが、そのときも陣痛タクシーに登録しました。ところが、朝6時頃いざ陣痛がきて、タクシー会社に電話したところ…なんと「まだ誰も運転手が来ていないので、すみませんが利用できません」とのこと。えー!そんなことって、あり?(笑)。結局、実家の父を呼んで自家用車で送ってもらいました。
③産前、陣痛タクシーを予約していました。しかし陣痛当日は土曜日だったことに加え、大雨のため何度電話をかけても繋がりませんでした。結局、陣痛タクシーではなく普通のタクシーを呼び止めて、なんとか病院まで到着し無事出産することができました。陣痛がくる日の曜日や天候は予測できないので、陣痛タクシーが利用できる会社を複数予約しておくのがおすすめです。
jp.moony.com より引用
タクシー会社によっては陣痛タクシーの配車は「専用の回線」を用意していると謳っていますが、対応するのは普通のオペレーターと普通のタクシードライバーです。
いくら専用回線を使っていても、オペレーターとドライバーがパンク状態であれば、陣痛タクシーも呼べません。
つまり、普通のタクシーが呼びにくいときは、陣痛タクシー呼びにくくなるということです。
ちなみに、タクシーの需要が高く、タクシーを呼びにくくなる状況は一般的に以下。
- 大雨、台風、雪などの気象状況が悪いとき
- 金曜や祝日前の終電後(深夜12~3時くらい)
タクシー台数が最も少ない早朝4~6時くらいも呼びにくくなります。
陣痛・破水はいつ来るか予想困難なので、陣痛タクシー以外の選択肢も考えておいたほうがよさそうです。
配車アプリで各社まとめて呼んだほうが早く確実に呼べる可能性が高い
陣痛タクシーよりもタクシー配車アプリで呼んだほうが早く確実に呼べる可能性が高いと考えます。
理由は配車アプリなら「複数の提携タクシー会社をまとめて呼べる」からです。
配車アプリを使ったことがない人は想像しにくいかもしれませんが、実際にアプリを使ってみると驚くほど速くタクシーが来ます。
例えば、同じ時間、場所で配車アプリを立ち上げ、周囲のタクシー台数を
①複数タクシー会社で呼ぶ場合(提携タクシー会社全て)
②単一タクシー会社で呼ぶ場合(東京の大手タクシー会社のkmのみ)
で比較してみます。
(タクシーアプリには呼ぶタクシー会社を選択する機能があります。)
場所は一般的に流し、待機のタクシーが少なめの郊外エリア、配車アプリはS.RIDEというアプリを使っています。
①複数タクシー会社で呼ぶ場合(提携タクシー会社全て)
周囲には複数の提携会社のタクシーが9台がいます。
②単一タクシー会社で呼ぶ場合(東京の大手タクシー会社のkmのみ)
周囲にはkmの1台しかタクシーがいません。
つまり、「単一のタクシー会社の陣痛タクシーを使う」ということは②の状態でタクシーを呼ぶと同じことです。
①と②どちらが早く確実にタクシーを呼べるかは一目瞭然です。
さらに、配車アプリならタクシードライバーとアプリ上でメッセージや通話で直接連絡がとれます。
陣痛タクシーは何かあったときの連絡がコールセンター経由になるので、どうしてもタイムラグが発生します。
配車アプリならドライバーとの連絡もスムーズにできます。
タクシーアプリの配車方法は後述します。
各アプリのエリア別のおすすめ、比較など配車アプリの詳細については
>タクシー配車アプリおすすめ比較完全版【2020】を参考にしてください。
外出時に陣痛が来たとき呼ぶ場所が変わるので焦る
多くの陣痛タクシーは事前に自宅の住所を登録しておくので、陣痛時に住所を伝える必要なく呼べます。
しかし、外出時に陣痛が来るかもしれません。
そんなとき、乗車地の変更が要になるのであるので焦る可能性があります。
さらに、登録していた陣痛タクシーのエリア外に外出している場合は陣痛タクシーを呼べません。
陣痛・破水はいつ来るか予想困難なので、陣痛タクシー以外の選択肢も考えておいたほうがよさそうです。
ちなみに、配車アプリであれば、場所によらず自分の現在地周辺の複数の提携タクシーをAIが探してまとめて呼ぶので、こんなときでも柔軟に対応できる可能性が高いです。
陣痛タクシーを使えない人は普通のタクシーを使っている
- 陣痛タクシーサービスエリア外に住んでいる人
- 陣痛タクシーに登録していたが呼べなかった人
- 陣痛タクシーサービス開始(2012年頃)以前に出産した人
は、陣痛時も普通のタクシーを使っています。
結局、実用性を考えれば普通のタクシーで十分ことが足りるということです。
普通のタクシーより割高になる場合もある
タクシー会社によっては、陣痛タクシーが普通のタクシーより割高になるケースもあるようです。
以下、口コミ。
出産前に登録したタクシー会社は、時間制の料金システムでした。普通に迎えにきてもらうよりもかなり割高になるので、今回は普通のタクシーを呼びました。破水に備えて防水シートを座席に敷いて乗りました。
jp.moony.com より引用
それでも陣痛タクシーに登録するなら
それでも「安心感」を得るために陣痛タクシーに登録したい人は極力タクシー台数の多い「大手タクシー会社」を選ぶといいです。
台数が多いほうが、陣痛時に配車できる可能性が高いです。
主な都市の陣痛タクシーサービスと所属タクシー台数は以下。
都市 | タクシー会社 | サービス名 | 台数(台) |
東京 | 日本交通グループ | 陣痛タクシー | 6,372 |
東京 | kmグループ | マタニティ・マイタクシー | 3,906 |
東京 | 東京無線協同組合 | プレママタクシー | 3,744 |
東京 | チェッカーキャブ | 子育て支援の取り組み | 3,133 |
東京 | 大和自動車交通 | たまごタクシー | 2,068 |
東京 | 帝都自動車交通 | ファミサポタクシー | 1,183 |
東京 | 日の丸自動車 | 子育てタクシー | 1,298 |
大阪 | 第一交通グループ | ママサポートタクシー | 428 |
大阪 | 国際興業 | 陣痛タクシー | 400 |
京都 | 都タクシー | 子育てタクシー | 354 |
東京は大きなタクシー会社が多いです。
大阪はタクシー会社の数は多いのですが、台数の多い大きなタクシー会社は少ないです。さらに、陣痛タクシーサービスのあるタクシー会社も東京と比べると少ないです。
よって、大阪では特に「配車アプリ」で複数社のタクシーをまとめて呼んだほうがいいと思います。(東京でも「配車アプリ」をおすすめします)
陣痛タクシーサービスは「複数登録」しておいたほうがタクシーが来ないリスクを減らせますが、
A社に連絡⇒A社の陣痛タクシーが来ない⇒B社に連絡⇒B社の陣痛タクシーも来ない⇒C社・・・・
となり、いたずらに時間だけが過ぎてしまう恐れがあります。
よって、個人的には初めから配車アプリで各社まとめて呼ぶのが正解と思います。
妊婦さんがタクシーに乗車拒否されるケース
一部のタクシー会社やドライバーは「妊婦さん」というだけで乗車拒否するケースがあるようです。
しかし、法律上は「妊婦さんだから」というだけでは正当な乗車拒否の理由になりません。
妊婦さんが乗車拒否される正当な理由として考えられるのは以下です。
ただ、これを最終的に判断するのはあくまでも「ドライバー」です。
タクシーの乗車拒否についての詳細は>>タクシーの乗車拒否の理由・予防・対策を見てください。
付添人を伴わない重病者
妊婦さんが「付添人を伴わない重病者」とドライバーに見なされれば乗車拒否できます。
具体的には、
・陣痛や破水の状況がひどく、付添なしで自力でタクシーに乗り降りができない
場合は乗車拒否される可能性が高いです。
この場合はたとえ「陣痛タクシー」でも拒否される可能性があります。
理由は、陣痛タクシーのドライバー(実態は普通のタクシードライバー)はルール上乗客の体に触れることができないのでタクシーへの乗降が不可能だからです。
このように、家族などの付添が誰もいない、自力で歩くことができないほど重篤な状態の場合は救急車を呼ぶしかないです。
※ルール上は上記の通りですが、実際に現場へ配車されて一人で動けなくて苦しんでいる妊婦さんを見捨てるドライバーは少ないのでは、と思います(想像)・・・。私がドライバーならルール無視で手を差し伸べ病院へ送ります。
妊婦さんにおすすめの出産時のタクシーの呼び方
最後に、上記を踏まえた妊婦さんにおすすめの陣痛・破水・出産時のタクシーの呼び方を紹介します。
配車アプリ利用可能 ⇒ 配車アプリ
配車アプリの対応エリア内で、複数の提携タクシー会社を呼べる場合は陣痛タクシーに登録している場合でも配車アプリの登録・利用を強く推奨します。
理由は上記の通り陣痛タクシーより明らかにスムーズにタクシーを呼べる可能性が高いからです。
出産時にスムーズに配車アプリを使うための手順は以下です。
①複数のタクシー配車アプリに登録
まず、タクシーアプリをダウンロード、登録します。
提携タクシー会社が多くおすすめの配車アプリは以下。
・新規インストールで500円分、さらにコード「mf-5wrkj7」入力で2000円分、計2500円分のクーポンGET!
・新規インストール+コード「8474JVZU」入力で1000円分のクーポンGET!
陣痛時に「確実に」タクシーを呼ぶためにも、配車アプリは「複数登録」を強く推奨します。
②使う配車アプリの優先順位を決める
配車アプリを複数登録した場合は、出産時に使う配車アプリの優先順位を決めておいたほうがいいです。
具体的には自宅エリアでの提携タクシー会社の多い順に優先順位を付けます。
各アプリのエリア別のおすすめ、比較など配車アプリの詳細については
>タクシー配車アプリおすすめ比較完全版【2020】を参考にしてください。
③事前に配車アプリでタクシーを呼んで練習
出産時にいきなり初めてアプリを使おうとしても焦ってスムーズにタクシーを呼べない可能性があります。
タクシー配車アプリに慣れておくためにも事前にアプリ経由でタクシーを配車して「練習」しておくことを推奨します。
通院時などに、出産予定の病院まで複数のアプリ経由でタクシーで行って練習しておけば最高です。
④破水時に車内を汚さないための準備
配車タクシーで呼ぶタクシーには防水シートなど「破水時に車内を汚さないための準備」は基本的にはないと思っていたほうがいいです。
よって、自分で事前に以下を用意しておいた方がいいです。
- レジャーシート(または大きなビニール袋など)
- バスタオル
- 大人用おむつ
これらをまとめて袋などに入れて準備しておけば、当日慌てなくてすむと思います。
⑤本番(陣痛・破水・出産時)に配車アプリでタクシーを呼ぶ
出産予定の病院へ連絡後、「②」で付けた優先順位の高いアプリを使いタクシーを呼びます。
配車アプリ利用不可
・配車アプリの対応エリア外
・アプリの提携タクシーが少ない場所
に住んでいて、アプリを使わない場合は「複数社の陣痛タクシーと普通のタクシーの併用」が確実性が高いタクシー配車手段だと思います。
具体的な手順は以下です。
①複数社の陣痛タクシーに登録
タクシーが来ないリスクを減らすために「複数社」の陣痛タクシーの登録がおすすめです。
②自宅付近のタクシー会社連絡先をリストアップ
陣痛タクシーのサービスエリア外や陣痛タクシーが来ない場合に備えて、普通のタクシーをすぐに呼べるように自宅付近のタクシー会社の連絡先を事前にリストアップしておくことをおすすめします。
③破水時に車内を汚さないための準備
陣痛タクシーは基本的には破水時に備えて防水シートなどが用意されている場合が多いですが、陣痛タクシーが来ない場合に備えて車内を汚さないために以下の準備をしておいたほうがいいです。
- レジャーシート(または大きなビニール袋など)
- バスタオル
- 大人用おむつ
これらをまとめて袋などに入れて準備しておけば、当日慌てなくてすむと思います。
④本番(陣痛・破水・出産時)にタクシーを呼ぶ・拾う
陣痛・出産時にタクシーを呼ぶ流れは以下です。
タクシー需要の低い時間帯であれば、普通に1社目のタクシーが来ると思います。
①タクシー台数の多い会社順に陣痛タクシーを呼ぶ
⇒来ない
②タクシー台数の多い会社順に一般タクシーを呼ぶ
⇒来ない
③路上でタクシーを探す
⇒来ない
④他の移動手段
⇒ない
⑤救急車
他に病院に行く手段がない ⇒ 救急車
このような状況はできるだけ避けたいですが、
・タクシーを呼べない
・徒歩、公共交通では病院まで行けない
・自家用車を手配できない
上記のように他に病院に行く手段がない場合は最後の手段として救急車を呼ぶしかないと思います。
このような状況を避けるためにも、陣痛時に病院に行く手段を複数検討しておくことが大切です。
できるだけタクシーが呼びにくい状況を避ける
タクシー需要が高い時間帯や、タクシーそのものが少ない時間帯は、いずれの配車方法の場合もタクシーが呼びにくくなります。
このような状況では、陣痛タクシーでも確実に呼べるとは限りません。
タクシーが呼びにくくなる主な時間帯・状況は以下。
- 大雨、台風、雪などの気象状況が悪いとき
- 金曜や祝日前の終電後(深夜12~3時くらい)
- タクシー台数が最も少なくなる早朝4~6時
このような時間帯に陣痛・入院が重なりそうな場合は、タクシーを呼ぶ時間帯を前倒しにズラすこと検討してください。
具体的には、少し早めに入院できるか病院に確認するといいと思います。
陣痛タクシーの将来
将来的には、各社の「陣痛タクシー」をまとめて配車アプリで呼べる時代が来るのではないかと想像しています。
というか、乗客が「陣痛中の妊婦」ということをアプリ配車確定時にドライバーに伝える機能を付ければいいだけです。
陣痛時のタクシー配車方法まとめ
- 陣痛タクシーサービスの実態は普通のタクシー
- 陣痛タクシーが必ず来るとは限らない ⇒ 他の配車・移動手段も考えておく
- 配車アプリで各社まとめて呼んだほうが早く確実に来る可能性が高い
- アプリ非対応エリアなら、各タクシー会社の連絡先をリストアップしておく