タクシーの相乗りとは
本記事では「他人同士がタクシーに同乗し料金を按分して支払う」ことをタクシーの相乗りと定義します。相乗りをすることで、一般的には通常よりタクシー料金が安くなります。
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タクシーに相乗りする方法は主に以下の3通りです。
①直接他人に声をかける
従来からの最も原始的な方法です。
駅のタクシー乗り場などで並んでいる乗客に直接声をかけ、同一方向へ向かう乗客(相乗り者)を探します。
料金按分は乗客同士で直接交渉し決めます。一般的には最終目的地の乗客が他の乗客の料金を預かり、降車時にまとめてドライバーに支払います。
②相乗りマッチング専用アプリを使う
タクシーの相乗りマッチング専用のアプリを使います。近くにいる同一方向へ向かう相乗り者をアプリ上で探すことができます。
相乗り者が見つかれば、集合場所(タクシー乗車位置)を決め、タクシーを探し相乗り者と一緒にタクシーに乗ります。
料金按分はマッチングアプリ上で自動計算され、最後に降りる乗客がまとめてタクシーに料金を支払い、途中下車の乗客とアプリ上で料金を精算します。
主な相乗りマッチング専用アプリは以下。
③配車アプリの相乗り機能を使う(2024年現在国内未対応)
配車アプリの相乗り機能を使うことで、複数の乗車地から同一方向へ向かう相乗り者をアプリ上で探せるようになりそうです。(2024年現在国内未対応、海外では使える場所あり)
②の相乗りマッチング専用アプリと大きく異なる点は、
・1つのアプリで相乗りマッチング⇒配車⇒支払いまで可能
・相乗り者と乗車位置が異なっていてもOK
・最終降車の乗客も自分の分の料金のみ支払えばOK
相乗りタクシーの現状
日本国内
2024年現在、日本国内の配車アプリには相乗り機能は付いてません。
日本国内のタクシーは「1運送1契約」です。
1個の契約により国土交通省令で定める乗車定員(11人)未満の 自動車を貸し切って旅客を運送する事業
道路運送法 より引用
相乗り自体は可能ですが、最終目的地で料金をドライバーへまとめて支払う必要があります。
1台のタクシーには1台の料金メーターしか付いていません。よって相乗りするなら、乗客同士で直接料金のやり取りをするか、相乗りマッチング専用アプリを使うしかないです。
※相乗りマッチング専用アプリは2024年現在利用者が少なめで実態として使えなさそうです。
海外
ライドシェア/タクシー配車アプリの相乗り機能を使い、乗用車への相乗りが可能な国と地域が数年前からあります。
例えば、フィリピンなどではGrabという配車アプリの「GrabShare」という機能で、乗用車に相乗りでき、通常より3割程度料金が安くなります。(筆者も利用経験あり)
相乗りタクシーのメリット・デメリット
相乗りタクシーのメリット
乗客としてのメリットは
・料金が安くなる
これに尽きると思います。
タクシー会社的には以下が期待できます。
・料金が安くなることでタクシー需要が増える
・営業効率(実車率)が上がる
社会環境的にも以下が期待できます。
・渋滞が減る
・CO2排出量が減る
相乗りタクシーのデメリット
デメリットは以下。
・知らない人と一緒にタクシーに乗る必要がある
・同乗者のために迂回するので余計な時間がかかる
相乗りタクシーの実証実験
2018年1~3月、東京にて相乗りタクシーの実証実験が行われました。
実証実験専用のアプリを使い、試験的に配車アプリにてタクシーの相乗りが可能になるというものでした。
実験結果概要は以下
・相乗りマッチング率は約1割
・利用者の約7割が「また利用したい」とアンケート回答
・利用者の最も気になることは「同乗者とのトラブル」
実証実験での相乗りマッチング率が低いのは、相乗り希望者(参加者)の母数が少なかったのが大きな要因と思われます。
実証実験を経て、2020年にはルール変更が行われ、配車アプリでの国内のタクシー相乗りが解禁される予定でしたが、コロナのため延期になっています。
新たな運賃・料金サービスとともに検討を進めていた、配車アプリを通じ、目的地の近い旅客がマッチングし、
相乗りする制度(相乗りタクシー)については、新型コロナウイルス感染症の感染状況を見極めながら導入時期を検討します。
相乗りタクシーの今後
コロナ収束後、近い将来に配車アプリでのタクシー相乗りが解禁される見込みです。
海外ではすでに配車アプリでの相乗りが普及している都市もあるので、技術的には難しいことではないはずです。
「少しでもタクシー代を安くしたい」という潜在的なタクシー需要はかなりあると思われるので、相乗り機能の追加は配車アプリの利用率向上に大きく寄与すると思っています。