タクシードライバー経験者の筆者がタクシーの障害者割引利用について筆者の考えと問題点・解決策を紹介します。
-
-
タクシー配車アプリおすすめ比較完全版2023
こんな方におすすめ タクシーをアプリで呼びたいすべての人 2023年12月現在、国内で使える主要タクシーアプリは以下です。 GO ←全国でおすすめ! S.RIDE(PR) ←東京・大阪・名古屋で ...
続きを見る
タクシーの障害者割引は迷惑か?
迷惑と感じているドライバーはいると思います。
ネット・SNS上でタクシーで障害者手帳を出したら嫌な顔をされた、態度が悪くなったという意見が散見されます。
筆者はタクシーの障害者割引は迷惑と思ったか?
障害者割引を「使った人」に対しては、ルール・法令に基づく当然の権利なので迷惑とは思いませんでした。私が障害者手帳を持っていれば、使うと思いますし、当然、それを理由に乗車拒否をしたり、乗客に対し不満を行動や言葉に出したことは一度もありません。
タクシーの障害者割引の問題点
障害者割引を使うことは全く問題ないですしむしろ有効活用すべきと思いますが、一方で、障害者割引の「制度自体」には以下の問題があると思います。
※これらの問題の「対策・改善案」は本記事の後半で紹介
①割引を使いづらい・嫌な思いをする
障害者割引を使うことで「運転手の態度が悪くなる、暴言を吐かれる、不当な乗車拒否をされる」など乗客側が嫌な思いをすることがあります。
また、後述の通り料金負担がタクシー運転手になることもあります。
「嫌な思いをする可能性がある」+「運転手への申し訳なさ」で割引が使いづらい、使えない人がいるのが現状です。
②時間のロスになる
障害者割引を利用することで、利用しない場合と比べてタクシー側に時間のロスが発生します。
筆者が所属していたタクシー会社の場合は以下。
- 障害者手帳の確認(5秒)
- 障害者割引スイッチを押す(1秒)
- 帰庫後会社へ割引利用者の特徴(性別・人数など)を報告(15秒/組)
タクシー運転手は時間給(固定給)ではなくほぼ歩合給なので、その時間は給料を生み出さない無の時間となります。
③タクシー側に料金負担が発生
障害者割引の料金負担はタクシー会社または運転手の負担になります。どちらが負担するかは会社によります。
ちなみに、筆者が所属していたタクシー会社は障害者割引の負担は「会社」でした。
とはいえ、一般的には会社負担ということは間接的には負担分が均等に給料から引かれるので、結局は障害者割引≒運転手負担と考えてよいのかと思います。
④不正利用されやすい
以下の理由により、障害者手帳は偽造されやすく不正利用されやすいといえます。
- 割引適用のための手帳確認を運転手が目視で行っている
- 手帳に記載の情報を控え、発行元に裏を取るようなことは基本的にしない
- 手帳は各自治体などで発行され、それぞれフォーマットが異なるため種類が多く、偽造の判別が困難
タクシーの障害者割引で迷惑そうな顔をする運転手を筆者はどう思うか?
論外です。迷惑と思うのは個人の勝手ですが、それを乗客に直接ぶつける行為は断固として批判します。
即、タクシー運転手を含め接客を要する仕事を辞めるべきです。
ワンメーター乗車や一万円札での支払いを嫌な顔をする運転手も同様です。
日本のほとんどのタクシーは、障害者割引、ワンメーター乗車、一万円札での支払いはいずれもルール上明確に認められている行為で、そのルール上で商売をしておきながら、感情的に不満を乗客にぶつけることはありえないと思っています。そのように感情をおさえられない人は、タクシー運転手を辞めるか、それらの行為をルール上拒否できるタクシー会社を探せばいいと思います。
なお、個人タクシーも障害者割引制度を採用しています。
※一部、障害者割引を採用していないタクシー会社もあるので、その場合の割引拒否は問題ないと考えます。
タクシーの障害者割引で嫌な思いをしたら(ユーザー側)
タクシーセンターなどに「通報」するという方法もあります。
障害者割引の利用を拒否された場合は返金の可能性があります。また、嫌な顔をされたり暴言を吐かれた場合は通報することで気分が晴れるかもしれません。
ただし、通報することで運転手から逆恨みされるリスクがある、返金手続きは手間と時間がかかることを考えると、過ぎたことは忘れて、今後嫌な思いをしない方法(後述)を考えたほうがいいかもしれません。
タクシーの障害者割引で嫌な思いをしない方法(ユーザー側)
以下の方法でタクシーの障害者割引を使うときに嫌な思いをする可能性が下がると思います。
①配車アプリを使う
配車アプリには運転手を評価する機能があります。
運転手は悪い評価がアプリ上に残るのを避けるため、アプリを使わないときと比べて態度の悪い運転手は少なめです。
おすすめの配車アプリは「GO」です。
・新規インストールで500円分、さらにコード(友達等から入手)入力などで最大6500円分のクーポンGET!
「GO」なら特に評価の高いドライバーを選んで呼ぶ機能があります。(エリア限定の機能)
②個人タクシーを避ける
傾向として、個人タクシーのほうが法人タクシーと比べて態度が悪い運転手が多いです。
※当然、個人タクシーにも態度の態度の良い運転手はたくさんいます。あくまでも法人と比べての傾向としてです
また、法人タクシーは障害者割引の負担が「会社負担」である場合が多いのに対して、個人タクシーは「運転手負担」が多いです。
上記の理由から、障害者割引を使うときに嫌な思いをしたくないなら、個人タクシーはなるべく避けたほうがいいと思います。
③流しのタクシーに乗る
繁華街などの路上や駅のタクシー乗り場で待機中のタクシーは「長距離の乗客を期待している」可能性が高いです。
一方で、流し(空車で走行中)のタクシーは比較的そうではない傾向があります。
※必ずしもそうとは限らない
長距離狙いの運転手(待機中のタクシーに多い)としては、「短距離の上に障害者割引なんか使いやがって!」と不機嫌になる人もいると思います。
よって、なるべく流しのタクシー(距離はあまり気にしない)を止めて乗ることをおすすめします。
④障害者割引を使わない
上記の方法で、嫌な思いをする可能性は下がると思いますが残念ながらゼロにはなりません。
態度の悪い運転手は無視すればよいし、使うことに申し訳ないと思う必要はないですが、それでも嫌な思いをしないか心配、使うのが心苦しい人は障害者割引を使わないのがよいと思います。
快適な移動のためにタクシーに乗るのに、料金を少し下げるために苦痛な思いをすることはないです。
タクシーの障害者割引制度の改善案(タクシー・行政側)
ユーザーができることではないですが、割引制度の問題点(前述)の改善案として筆者が思いついたものは以下。
①自己申告+手帳提示を不要に⇒決済手段に障害者手帳の事前登録
現状は障害者割引の適用には「乗客による自己申告+手帳の提示」が必要です。これが、利用者の心理的な負担となり、割引が使いづらくなっています。また、割引の設定など運転手の手間も増えます。
自己申告+手帳提示を不要にする方法として、例えば、配車アプリ決済などの決済手段に障害者手帳の情報を事前登録、自動で割引適用などが考えられます。
ただし、これを悪用する人が必ず出てくるので、不正対策は必須です。(マイナンバーカードと手帳の紐づけなど?)
②料金負担を国へ
現状は割引分はタクシー会社または運転者の負担です。
運転手の本音は「割引を使ってくれるな」です。また、そのことを利用者が申し訳なく思い割引が使いづらくなっています。
個人的には、料金負担は「国≒税金」でよいのではないかと思います。
③障害者割引制度の廃止⇒給付金配布
前述の問題をまとめて解決する一番簡単な方法だと思います。
障害者割引を廃止して、障害の度合いに応じて一律で給付金を配ったらよいのではと考えます。
そうすると、「タクシーの利用頻度は人によるので不公平だ」という意見が出そうですが、徒歩や公共交通の利用が困難な人は住む場所にかかわらず、一人で移動するときは基本はタクシーを使うと思うのでそこまで不公平ではないと思います。
むしろ、現状のタクシー割引制度では、障害者手帳を持った人と一緒に乗れば持ってない人も得をするので、それはそれでどうかなと思います。
【おまけ】タクシーで障害者手帳の偽造はバレるか?
バレるバレない以前に法令違反で大迷惑なので絶対にやめてください。
やったとしても大した割引率ではないので、リスクに対するリターンの割りが合わないと思います。
ちなみに筆者の場合は、1秒でも時間を無駄にしたくなかったので「障害者手帳」であることのみを確認していました。ただし、業務終了後に割引利用者の特徴を会社に報告する義務があったので、バレる可能性はあります。